2011年09月25日

アンブレラストーリー

最近、なぜだかしゅっちゅう思い出すことがある。それはロンドンでのある雨の日のお話。


あの日は少し雨が降っていた。傘をさすか迷ったけど、さしてバス停まで歩いた。そして私はいつものようにバス停でバスを待っていた。


そこに一人の女子大生が現れて、「お願いがあるんだけど・・・」と言ってきた。「あなたの傘を私に売ってください。いくらでもかまわないから」だって!


彼女は自分の携帯電話に写っている写真を見せながら、なぜ私の傘が必要なのか説明したけど、私の英語力と創造力では理解できなかった。


「貸すから返してくれればいいよ」と言ったら、「その傘に作品を描きたいの」という返事。


よ~く話を聞いたら、次のような事実がわかった。


・彼女は美術の勉強をしていて、先週、仲間と美術館に行って作品を見てきた。
・その中から模倣する作品を選んだ。
・その作品は普通のキャンパスに描かれていたけど、自分達は傘に描くことにした。
・そのキャンパスはうすいクリーム色だったから、そういう色の傘が必要だった。
・1週間、あちこちの店に行って探したが、見つからなかった。
・タイムリミットは、彼女が私に会ったその日だった。
・今朝、バスの中から私の傘を見つけて、慌ててバスを降りて、バス停にいる私に話しかけてきた。


彼女は「いくらで売ってくれる?銀行でお金をおろすから、一緒に銀行に行ってください」みたいな感じで、ドンドン歩いて行った。


何が何だかわからない私は、とにかく彼女と一緒に歩いて行った。


私、「いいよ」とは言ってないのにな~。っていうか、言う暇なし。最終的にはもちろん、売ることをOKしたので、彼女はとても喜んでいた。


適当に値段をつけて、彼女からお金をもらい、メールアドレスを交換して別れた。


幸いにも、その時、雨はやんでいた。


後日、私は傘を買いに行った。売った値段と同じ値段の傘があったので、それを買った。その傘がこれ。

アンブレラストーリー



この傘は今も気に入って使っている。


そして数日後、私の傘に描かれた作品の写真が届いた。

アンブレラストーリー



う~ん・・・、私には芸術はよくわからない・・・。ただ、彼女達が真似したかった作品には似てると思った。


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Posted by みゆ at 10:41│Comments(0)思い出話
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